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有効塩素 殺菌や漂白などの化学反応を引き起こすことのできる塩素化合物中の塩素を「有効塩素」といい、遊離型と結合型に分類されます。
具体的には、遊離型有効塩素は水に溶けた形で存在する塩素分子(Cl2)、次亜塩素酸分子(HClO)、次亜塩素酸イオン(ClO-)の総称で、強い酸化力を持ちます。 一方、結合型有効塩素は弱いながらも酸化力をもつモノクロラミン(NH2Cl)とジクロラミン(NHCl2)の総称と考えれば良いでしょう。通常これらは遊離型有効塩素が水中でアンモニアと反応して生成されます。
塩化ナトリウム(NaCl)が水に溶解する場合などに生じる塩化物イオン (Cl)などは反応性がないため、有効塩素ではありません。

残留塩素 反応が終了した後に残った有効塩素のことで、主として水道水の消毒に関して用いられる言葉です。
衛生上の安全を維持すると同時に快適に水道水を用いるために、日本の水道法では蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上に保つよう定めると同時に、1mg/L以下に抑えるという目標値が設定されています。また、WHO(世界保健機関)は、飲料水の遊離残留塩素が5mg/L以下であるべきとしています。

有効塩素濃度 複数の化合物の形で存在する有効塩素の酸化能力を合計し、同じ能力をもつ塩素分子(分子量71)の重量濃度に換算したものです。 次亜塩素酸水の場合は次亜塩素酸分子、次亜塩素酸イオン、塩素分子の3種類の化合物のモル濃度の総量(mmol/L) X 71が有効塩素濃度(mg/L)となります。
複数の分子やイオンの形で存在する有効塩素に加えて塩化ナトリウム由来の塩化物イオンが混在することもあって、 これら全ての量を化学分析により求めることは困難です。 そのためもあって、有効塩素濃度は相手を酸化させる能力そのものの計測、つまり試薬との反応によって測定されます。

有効塩素の効力差 有効塩素濃度が同じであっても殺菌効果などの効力が同じとは限りません。有効塩素はその存在形態により効力が異なるためです。
一般に、遊離型有効塩素は結合型の数十倍以上の殺菌力があると言われますし、同じ遊離型であっても次亜塩素酸(分子)は次亜塩素酸イオンの80倍程度の殺菌力があると言われています。 これらの説明の根拠となっているのは米国環境庁による「水温2~6℃で測定した時、塩素として0.1mg/Lの場合に殺菌に要した時間は、次亜塩素酸を1とすると、次亜塩素酸イオンは80倍、モノクロラミンは350倍の時間を要した」と書かれた報告のようです。 つまりこれは、水道水の消毒という用途に限った場合の効力の比較試験を特定条件下で行った結果です。
ですから、用途・使用濃度・使用条件などが異なれば、効力の差にも違いが出る可能性があります。

ppm ピーピーエムと読みます。 parts per million の略で百万分率ともいい、百万分のいくらであるかを示す単位です。 通常は、大気中のオゾン濃度などのような気体の濃度を表すときは体積比で表しますが、水溶液中の次亜塩素酸の濃度などを表すときは重量比で表し、後者の場合はmg/kg(ミリグラム・パー・キログラム)と同じ意味になります。

mg/L ミリグラム・パー・リットルと読みます。 1リットルの中に含まれる対象物質の重量が何mg(ミリグラム)であるかを示す濃度の単位です。 薄い水溶液などのように比重が1に近いものでは、1Lの重さがほぼ1kgですので、濃度をmg/Lとmg/kg(ppm)のいずれで表してもほぼ同じ値になります。

pH ペーハーもしくはピーエッチと読みます。 potential hydrogenあるいはpower of hydrogenの略で、溶液の酸性あるいはアルカリ性の強さを示す「水素イオン指数」を表す記号です。 水素イオン指数は水素イオン活量aH+の逆数の常用対数として定義されています。水素イオン活量aH+ は水素イオンのモル濃度[H+]とほぼ同じなため:

pH = -log10aH+ ≒ -log10[H+]

ということになります。例えばpHが3の希塩酸では[H+]は10-3(0.001)モル/Lです。

常温常圧での水溶液では水素イオンと水酸化物イオンのモル濃度の積はほぼ一定で:

[H+][OH-] = 10-14

ですから、例えばpHが12なら、[H+]は10-12モル/Lなので [OH-] は10-2(0.01)モル/Lと計算できます。
中性の水溶液では[H+]と[OH-]が同じ濃度(10-7モル/L)なため pH7.0が中性で、これより高ければアルカリ性、低ければ酸性ということになります。

モル(mol)
物質の量を数える単位で、 物質粒子(原子、分子あるいはイオン)が6.02x1023(アボガドロ定数)個集まったものを1モルといいます。 モルを単位として数える量が物質量です(以前の化学の教科書などでは「モル数」という言葉が使われていましたが、 今は物質量という表現が正しいとされています)。 特定の物質の粒子(原子、分子あるいはイオン)1個の質量(原子量、分子量あるいは式量)をmとし、 アボガドロ定数をAで表せば、粒子の総個数(N)と物質量(M)の関係は  AM = N 物質量と総質量(w)の関係は mM = w(グラム) となります。

BOD
Biochemical Oxygen Demand の略で日本語では「生物化学的酸素要求量」といいます。
測定したい水を密閉したガラス瓶に入れ、20℃で5日間暗所で培養し、培養直前の水に溶けている酸素量(溶存酸素量)と培養後の酸素量の差がBODで、微生物によって消費された酸素量ということになります。BODはCODやSSなどとともに、河川や排水などの有機物による水質汚染の指標となっています。

COD
Chemical Oxygen Demand の略で日本語では「化学的酸素要求量」といいます。
測定したい水と酸化剤(過マンガン酸カリウム)を反応させ、消費される酸化剤の量を測定することでCODの値が得られます。BODやSSなどとともに、河川や排水などの有機物による水質汚染の指標となっています。BODの測定に5日間を要するのに対し、CODは約30分で測定できます。

SS
Suspended Solid の略で日本語では「懸濁物質」といいます。
水中に懸濁している固形物をろ過して分離される物質のうち粒径2mm 以下のものの重さを測定することでSSの値が得られます。

ノルマルヘキサン抽出物質
溶媒であるn-ヘキサンによって抽出される不揮発性物質のことで、水中の油分等を表わす指標として用いられています。 ここでいう油分等とは動植物の油脂、鉱油、脂肪酸、リン脂質、ワックス、グリース、石鹸、界面活性剤など様々で、農薬やフェノール等も含まれます。 水質汚濁防止法・下水道法共に動植物油脂類の排水基準は30mg/l、分解されにくい鉱油類の排水基準は5mg/lとなっています。