次亜塩素酸水とは

次亜塩素酸水について

■ このページの目次

次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水の機能
次亜塩素酸水の安全性
次亜塩素酸水を取り扱う上での注意
次亜塩素酸水の保存期間
次亜塩素酸水製造装置


水滴 次亜塩素酸水とは

2020年初頭に新型コロナウイルスが猛威を振るいだした時、人体にも手軽に使えることで良く知られていたアルコール消毒液が店頭から消え失せ、医療関係施設でも入手困難になって大変な騒ぎになりました。

そんな時、次亜塩素酸水がアルコール消毒液の代わりに使えるという話が広まりましたが、「これはすばらしい」という肯定的意見があれば「いや、本当に効果があるのか疑問だ」という否定的見解もありました。一時は国の研究機関や大学から、製造企業や一般市民まで巻き込んだ論争になった程です。

最終的に(独)製品評価技術基盤機構が「正しく使用すれば有効である」という報告を出したので、現在のところ論争自体は落ち着いたように見えます。

とはいうものの、インターネットで検索すると「次亜塩素酸xx」という類の商品が数多くあり、それぞれについての説明も微妙に異なっています。実際のところ、詳細に調べれば、同じ「次亜塩素酸水」という言葉で説明されている商品でも、その成分や効能、安全性や使い勝手などがずいぶん異なったり、科学的に見て首をかしげたくなるような商品説明が見受けられたりします。

(株)アクトも次亜塩素酸水である「クリーン・リフレ」を商っていますので、お客様には次亜塩素酸水について説明する義務があると考えています。ですからこれ以降は、科学的な観点に立って、大学や研究機関などの試験研究結果を調べた上で、アクト自身の知見も付け加えて、次亜塩素酸水の効果や取扱上の注意事項、そして製造方法などについて解説していきたいと思います。

■次亜塩素酸について

次亜塩素酸水とは一体どういうものなのでしょう?  聞いたことはあるけど、よくわからないという方が多いのではないかと思いますので、まずその辺からご紹介していきましょう

食塩を溶かした水を食塩水というのと同じように、微量の次亜塩素酸(分子式 HClO)が溶けている水を次亜塩素酸水といいます。塩酸やクエン酸なら学校の授業などで実物を見たことがあると思いますが、次亜塩素酸は見たことがないのではないでしょうか? 塩酸は塩化水素(HCl)を水に溶かしたものですが、その塩化水素の水素(H)と塩素(Cl)の間に酸素(O)が割って入ったものを作ると次亜塩素酸の分子になります(下図)。

次亜塩素酸分子 次亜塩素酸分子イメージ
図1:次亜塩素酸の分子構造とそのイメージ図(白は水素の、赤は酸素の、緑は塩素の原子)
pm(ピコメートル)は1×10-12メートル。 出典:ウィキペディア 次亜塩素酸

上の図の塩素原子を水素原子で置き換えると水(H2O)の分子と同じ並びになることにお気づきでしょうか。水の分子は電子を引き寄せやすい酸素原子1個に電子を奪われやすい水素原子2個が結合したものです。塩素は本来電子を引き寄せやすい原子であるのに、次亜塩素酸分子の中のでは水素原子の代役を果たしているように見えます。塩素原子が本来の性質に合わない役目を果たしているため、この後説明するように、次亜塩素酸分子はとても不安定で壊れやすいため水中でしか存在できません。しかし、その壊れやすさが次亜塩素酸の強力な破壊力の源になっているのです。

実は、私たちの体の中で好中球(白血球の一種)が次亜塩素酸を作り出し、細菌やウイルスなどの病原体を攻撃するのに用いています。例えば 奈良女子大の藤井先生の報告(2018)をご覧ください。

イメージ的にはこんな感じです ↓

体の中で次亜塩素酸ができる

また、水道法では「遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること」と決められていますが、この遊離残留塩素というのが実は次亜塩素酸(HClO)とそれが水中でイオンに解離した次亜塩素酸イオン(ClO)を合わせたものなのです。※mg/Lとは濃度の単位です、体積1リットルに物質が1mg含まれる時の濃度が1mg/Lです。

■次亜塩素酸は微生物を破壊

次亜塩素酸分子は電気的に中性な(電荷を帯びていない)ため、細菌などの細胞膜を通過して細胞の内側から微生物の中枢である細胞核などを破壊できます(下図)。城壁を魔法のように素通りして敵を攻撃するわけですから、敵もたまったものではありません。

一方、例えば次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が水に溶けた時の有効成分である次亜塩素酸イオン(ClO)は負の電荷を帯びているため、細胞膜を通過できません。 ですから、細胞膜を破壊して微生物を殺すことになりますが、そのためには高濃度のClOイオンが必要となります。

一般には次亜塩素酸(HClO)の殺菌力は次亜塩素酸イオン(ClO)の約80倍と言われています(「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料」、厚生労働省、2009)。細胞の内側に入りこんで要所を責める次亜塩素酸の方がはるかに良いということです。

次亜塩素酸は細胞膜を通過して細胞内を破壊できる
図2:電荷を帯びていない次亜塩素酸分子は細胞膜を通過できる
出典:細菌・ウイルス等微生物に対する次亜塩素酸水の効果とその活用(中村ほか、2017)

■次亜塩素酸水の効力

次亜塩素酸 HClO の効力は相手を酸化させることで発揮されます。 次亜塩素酸が酸素を受け取りやすい(酸化されやすい)有機物などに触れると:
HClO → HCl + O
というように分解して、相手に酸素を無理やり与える(酸化させる)反応がおきます。 結果として次亜塩素酸が消滅すると同時に、相手の有機物の一部が酸化により破壊されます。 各種病原体、生体の一部、アルコールなどの有機分子類は比較的酸化されやすい有機物なので、次亜塩素酸と反応します。 一方、常温では酸化されにくいプラスチックなどは次亜塩素酸水と接触しても簡単には酸化・分解されません。 したがって次亜塩素酸水をペットボトルに入れておいても、たちどころに効力を失うことは起こりません。

■次亜塩素酸水の安全性

次亜塩素酸水の安全性については数多くの報告がありますが、最も信頼のおけるもののひとつである、食品安全委員会の添加物評価書(2007年1月)(こちらからダウンロードできます)の中の一節を以下に引用します:

次亜塩素酸水の安全性については、強酸性(pH2.5、塩素濃度50~60 mg/kg)及び微酸性(pH5.5、塩素濃度70mg/kg)次亜塩素酸水について多くの報告があり、その中で急性経口毒性試験、皮膚刺激性試験、急性眼刺激性試験、皮膚感作性試験、口腔粘膜刺激性試験、復帰突然変異試験及び染色体異常試験において、変化は認められなかったとされている。また、細胞毒性では、高濃度においてやや細胞の増殖が抑制されたが、他の市販の消毒薬と比較して毒性の少ないことを認めている。

ただし、この評価書は厚生労働省が指定する食品添加物としての規格を満たす次亜塩素酸(下図)について書かれたものであることに注意してください。「次亜塩素酸水」と称して売られている商品であってもこの規格から外れているものについては安全性が不明と判断してよく、別途評価が必要になると思います。

食品添加物としての次亜塩素酸水の組成範囲とクリーン・リフレの組成範囲
図3:食品添加物としての次亜塩素酸水の組成範囲とクリーン・リフレの組成範囲
クリーン・リフレについてはこちらをご覧ください

厚生労働省の規定では、食品添加物としての次亜塩素酸水は、上の図に示された塩素濃度範囲とpH範囲を満たす必要があります。また、強酸性および弱酸性次亜塩素酸水は塩化ナトリウム水溶液の電気分解によって、微酸性次亜塩素酸水は塩化水素の水溶液(塩酸)もしくはこれに塩化ナトリウムを加えたものの電気分解によって製造されたものとされています。ここでは省略しますが、これら水溶液の濃度範囲についても決められています。厚生労働省が指定した以外の方法で製造されたものを食品添加物として用いることはできません。

新型コロナウイルスの感染拡大により次亜塩素酸水の空中噴霧についても話題になり、多くの議論がなされました。 真水の噴霧により室内空気中の湿度を高めることは新型コロナやインフルエンザ対策として有効であることに異論をはさむ人はいないと思います。次亜塩素酸水は水で薄めることにより塩素濃度をいくらでも下げることが可能です。もしたとえば、塩素濃度60ppmの次亜塩素酸水を空中に噴霧することが有害であるなら、塩素濃度がどこまで下がれば無害になるのでしょうか。また、人体に無害となる濃度ではウイルスに対する効果が全くなくなってしまうのでしょうか。もしそうであれば次亜塩素酸水の空中噴霧は意味がないことになりますが・・・・

実はその辺のことがまだよくわかっていないのです。わからないうちは使用しない方が安全ということは理解できますが、危険なウイルスが身の回りにあるのであれば、使用した方が安全と考える人もいます。安全性テストが不十分なまま接種が開始された新型コロナワクチンについても同じようなことが議論されていますが、このような問題に関して私たちがいまやるべきことは、早く信頼のおけるデータを集めて、効果と危険性の両方を正確に判断できるようにすることだと思います。人体に無害で除菌できるという次亜塩素酸水の濃度範囲と噴霧量・噴霧方法などが明らかになれば、それだけで数多くの感染を避けることが可能となるでしょう。

世界保健機構が消毒薬を空中噴霧するのは危険であると警告したのは、実際に空中噴霧による被害が報告されたからでしょう。しかし、それは何か別の消毒薬一般についての話であって、WHOが次亜塩素酸水の噴霧の危険性を確認しているわけではありません。そしてまた、少なくとも日本国内では、次亜塩素酸水は消毒薬として扱われていません。

実際のところ、次亜塩素酸水(次亜塩素酸ナトリウム水ではありません)の空中噴霧に関して、危険であることを示すデータは見かけたことがありません。安全性と有効性を裏付ける資料については、例えば(社)次亜塩素酸水溶液普及促進会議がとりまとめています

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水滴 次亜塩素酸水を取り扱う上での注意

■次亜塩素酸水の取り扱い上の一般的な注意

次亜塩素酸水は良いことばかりであるように説明してきましたが、使用するにあたっては注意しなければいけないこともあります。

  1. 名前の似ている次亜塩素酸ナトリウムとは別物なので、決して取り違えないでください。
  2. 次亜塩素酸水と称して販売しているものであっても、製造法や組成はまちまちで、副次的(余計)な成分が入っているものもあります。 信頼のおける会社が電解法で製造し、塩素濃度などの規格を明確に表示してあるものを使用なさることをお勧めします。
  3. 次亜塩素酸はとても不安定な物質で、高い熱や強い光にさらされると数日持たずに分解して効果がなくなることもあります。 効果の失われたものを有効と信じて使用するのはとても危険ですので、次亜塩素酸水には消費期限があるものとして取り扱い、さしあたって使用しない場合は密閉容器に入れて、冷暗所で保存してください。 (下記次亜塩素酸水の保存についてをご覧ください)
  4. 次亜塩素酸水の有効成分は次亜塩素酸(HClO)で、その効力は塩素濃度として測定できます。 塩素濃度が高いものほど除菌能力も高いのですが、高すぎると皮膚などに対する刺激が強くなります。
  5. 次亜塩素酸は、食物残渣などの有機物が多量にある場合はそれにより消費されてしまいますので、次亜塩素酸水で除菌する場合は有機物を洗浄した後に行うことになります。もちろん、強い油汚れでなければ、洗浄作業も次亜塩素酸水で行うことが可能です。
  6. 極めて大雑把になってしまうことを承知で言えば、塩素濃度が10~35ppmのものは野菜などの洗浄にタップリ使い、60ppm~80ppmのものは多少水に塗れたものや少量の有機物がある場合にも使えるので、調理用具などの除菌に用いると良いと思います。
  7. 塩素濃度が100ppmを超えるような、次亜塩素酸ナトリウムを酸で中和させたもの等は床の消毒などに使えますが、素手では扱わないよう注意した方が良いでしょう。

■次亜塩素酸水の保存期間

 次亜塩素酸水の効力のところで、次亜塩素酸が酸化され易い有機物と接すると HClO → HCl + O のように分解して相手に酸素を与えると説明しましたが、実はそのような相手が身近にいなくても、この分解反応は常に起こっています。 分解したときに酸素を与える相手がいない場合には反応が逆に進んですぐに次亜塩素酸に戻ることもありますが、同時に発生した酸素原子同士が結合して酸素分子になることも一定の確率で起こります。この場合は:
2HClO → 2HCl + O2
という化学反応が起きたことになります。 この反応がゆっくり進むことにより、次亜塩素酸水は時間と共に塩素濃度を低下させ、効力を失っていきます。
これはしかたのないことですが、有効期間は次亜塩素酸水の保存環境により大きく変化しますので、どのような保存のしかたをすれば良いかをご説明します。

  1. どのような化学反応も温度が10℃上がれば反応速度が2倍になるといわれています。次亜塩素酸水の有効成分が低下するのは化学反応によるものですから、10℃で保存する場合は30℃で保存する場合に比べて有効期間が2倍の2倍、つまり4倍に延びるという計算になります。
  2. 次亜塩素酸の分解反応は強い光などの刺激によっても、促進されます。 夏場の直射日光にさらした場合、強い光と高温の両面攻撃によって、わずか一日で塩素濃度が0になったという報告(学校薬剤師部会研究委員会、2020)もあります。
  3. 上に書いた 2HClO → 2HCl + O2 という化学反応式は次亜塩素酸が塩化水素と酸素に分解することを表していますが、この酸素が次亜塩素酸水の外に容易に逃げ出すような状態であれば、反応はどんどん進みます。 つまり、容器の蓋を開けっ放しにすると次亜塩素酸水の寿命が縮むということです。
  4. 蓋の重要性については、弊社が北見工業大学にやっていただいた次のような実験結果があります:
    ● 塩素濃度30ppmのサンプルを無色透明のガラス瓶に入れ、蓋をせずに蛍光灯照射下で撹拌したところ、3時間後には大幅な濃度低下が見られ、15時間後には濃度ゼロとなった。
    ● 同じ瓶で密栓をした状態で撹拌した場合、15時間後でも大きな濃度低下は見られなかった。
    これほど極端な悪条件ではなく、容器(遮光瓶)の蓋を開けたままで実験室に放置した場合についても実例があります。帯広畜産大学とアクトの連名で国際誌に掲載された研究報告に書かれていますが、塩素濃度100ppm強のものが17日間放置で23ppmに、31日間放置で2ppmに低下したというものです。
  5. また、温度などの環境条件が同じであれば、次亜塩素酸の濃度が高いほど分解反応が早く進むということも知られています。
  6. ということで「使用したい塩素濃度より少し高めの次亜塩素酸水を、酸素ガスを通さない密閉容器に満杯に近い状態で入れ、光が当たらないようにして、低温で静かな所に置いておく」というのが最良の保管方法ということになります。
  7. 製造工程が良く管理されていて品質の良い(余計な成分が入っていない)次亜塩素酸水の場合、密閉容器に入れて10℃程度の温度で暗所保存した結果、2か月経っても塩素濃度が40ppmから30ppm程度に落ちただけという弊社の実験結果があります。

以上のことから、保管条件さえよければ出荷時に塩素濃度が50ppm程度の次亜塩素酸水は、2~3ケ月程度はアルコール消毒液の代わりに使えると言ってよいでしょう。

保存に関するもうひとつの注意点として、次亜塩素酸水をスプレーボトルに入れてしばらく放置した後の最初の一吹きは塩素濃度が容器の中のものより低いという弊社の実体験があります。種類にもよりますが、スプレーヘッドは密閉容器の蓋に比べるとガスを遮蔽する能力が落ちるため、スプレーヘッドの中に残っている次亜塩素酸の濃度が低下したものと考えられます。ですから、一定時間使わなかった場合は、1~2回目のスプレーで出てくる次亜塩素酸水は除菌効果が落ちていると考えた方が良いでしょう。

細心の注意を払っても「長期保存した次亜塩素酸水が何らかの理由で効力を失ってしまったのに、それで除菌をしたつもりで安心して、とんでもない結果になる」という可能性は否定できません。ですから、長期保存後の次亜塩素酸水を重要な用途に、例えば新型コロナウイルスに有効(塩素濃度35ppm以上)な洗浄・除菌水として用いたい場合は、市販の測定器や試験紙などで塩素濃度を確認してからご使用いただくことを強くお勧めします。塩素濃度(塩分濃度ではありません)50ppm程度の測定にふさわしいものをご選択ください。

正確な測定をなさりたい場合は測定器の購入をすることになりますが、数万円の出費が必要となります。おおよその濃度を手軽に知りたいと思われる方には、試験紙の購入をお勧めします。例えばこの商品などはお手頃な価格で販売されています。

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水滴 次亜塩素酸水製造装置

■次亜塩素酸水の製造装置の種類は3つ

厚生労働省が指定する食品添加物としての次亜塩素酸水は食塩水などを電気分解して生成されたものと規定されています。上に述べた次亜塩素酸の不安定性のため、基本的には装置で製造後すぐに使用するものと想定されているからです。 電気分解装置には隔膜(イオン交換膜)の無いもの(一室型)、隔膜がひとつあるもの(二室型)、隔膜がふたつのもの(三室型)の3種類があります。

■一室型電解装置による食塩水の電気分解

学校で行った水の電気分解実験では、電気を流れやすくするため、水に少量の水酸化ナトリウムを用いたことを覚えていますか。では、水酸化ナトリウム(NaOH)の代わりに塩化ナトリウム(NaCl、食塩)を溶かした水溶液を電気分解するとどうなるでしょう?

この場合、陰極では引き寄せられた過剰のナトリウムイオンにより水分子が水酸基(OH)を奪われ、はじき出された水素イオン(H+)が陰極から電子を得るという反応が起きます。結果として陰極周辺では水素分子(H2)と水酸化ナトリウム(NaOH)が発生しますが、水素分子は水にほとんど溶けないので、気体として空気中に逃げていき、水酸化ナトリウムだけが溶液中に残ります。

2Na+ + 2H2O → 2NaOH + 2H+
2H+ + 2e → H2 (eは電子)

一方、陽極では引き寄せられた塩素イオン(Cl)が陽極に電子を奪われて塩素分子(Cl2)が発生しますが、この塩素分子は反応性が高いので、すぐに水分子と反応して塩化水素(HCl)と次亜塩素酸(HClO)ができます。(4OH→ 2H2O + O2 という、酸素分子ができる反応も少し起きます)。

2Cl → Cl2 + 2e
H2O + Cl2 → HCl + HClO

食塩水の電気分解によって次亜塩素酸ができるしくみがおわかりいただけましたでしょうか。

一室型電解
図4:一室型の電気分解

以上のような、酸と塩基を作る反応が同時進行している反応全体を総合的に見ると、次のような反応式で表すことができます。

2NaCl + 3H2O → 2NaOH + HCl + HClO + H2

 ここで発生する水素分子(H2)は速やかに空気中に逃げていきます。 そして、最終的に装置の電源が切られれば、二つの電極の間に仕切りがないため電解水全体が混ざり合い、陰極側で発生した水酸化ナトリウム(NaOH)1分子と陽極側で発生した塩化水素(HCl)1分子が反応して水と塩化ナトリウムになります。

NaOH + HCl → NaCl + H2O

結果として、溶液中に残るのは次亜塩素酸、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムの3成分ですので、生成した電解水はアルカリ性になります。つまり、一室型電解装置で食塩水を電気分解したときの物質全体の収支は次のようになります。

NaCl + 2H2O → NaOH + HClO + H2

ここで、下の図と説明を見てください。この図はpHが高くなればなるほど次亜塩素酸が水素イオン(H+)と次亜塩素酸イオン(ClO)に解離する割合が増えることを示しています。上に書いたように次亜塩素酸(分子)の殺菌力は次亜塩素酸イオンの約80倍と言われていますので、アルカリ性の溶液中では除菌能力が大きく減少してしまいます。

このような理由で、厚生労働省が定義する「一室型の電解装置による微酸性次亜塩素酸水」を得るためには、食塩(塩化ナトリウム)のかわりに(あるいは食塩に加えて)塩酸(塩化水素水溶液)を水に入れて電気分解し、pHを5~6.5の間に調整する必要があるのです。

次亜塩素酸水溶液の塩素存在比率のpH依存性
図5:次亜塩素酸水溶液の塩素存在比率のpH依存性
出典:微酸性電解水協議会HP

この図は水素イオン濃度[H+]が低く(pHが高く)なると反応 HClO → H+ + ClO が進んで次亜塩素酸イオンの割合が増え、水素イオン濃度が高く(pHが低く)なると反応 H+ + 2HClO → Cl2 + 2H2O が進んで塩素ガスの割合が増えることを示している。

■二室型電解装置による食塩水の電気分解

二室型電解装置は電極の間をイオンを透過させる隔膜で仕切っています(図は陽イオンも陰イオンも通すバイポーラーイオン交換膜の場合)。この装置では電気分解が進行すると陽極の周辺では塩素イオンが消費されて塩化水素と次亜塩素酸が濃縮し、消費された塩素イオンに見合った分のナトリウムイオンが隔膜を通って陰極側へ移動します。陰極周辺では水素イオンが消費されて水酸化ナトリウムが濃縮し、発生した水素は大部分が大気中に放出されます。

結果として酸性とアルカリ性の2種類の電解水が得られ、酸性の電解水が次亜塩素酸水に相当します。しかし、全ての食塩(NaCl)が消費されるまで反応を進められないため、いずれの電解水にも食塩が混在することになります。

二室型電解
図6:二室型の電気分解

■三室型電解装置による食塩水の電気分解

三室型電解装置は電極の間を2枚の隔膜で仕切って、中央の室に食塩水を入れ、電極のある他の2室は純水のみをいれた状態から起働させるものです。この装置では陰極側の隔膜は陽イオンのみを、陽極側の隔膜は陰イオンのみを通すようになっています。つまり、ナトリウムイオンは陰極側にのみ、塩素イオンは陽極側にのみ移動可能です。この装置では電解を進めるに従って陽極側に酸性電解水が、陰極側にはアルカリ電解水が得られる点では二室型の電解装置と同様ですが、陽極側(酸性電解水)にはナトリウムイオンが存在せず、陰極側(アルカリ性電解水)には塩素イオンが存在しません。従って、食塩(NaCl)成分の無い「無塩型次亜塩素酸水」を得ることができます。

アクトの次亜塩素酸水製造装置「クリーン・ファイン」はこのタイプに相当します。

三室型電解
図7:三室型の電気分解

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